例えば
この世の中のものはみんな 一人の王様の夢の中の登場人物で
そいつが目覚めると同時に、みんな霧のように消えてしまう。
今読み終わった本によると
この世の果ては切り立った崖になっていて
でっかい怪物が世界の四隅を支えているんだそうだ。
なら、この世界はみんなハリボテだ。
巧妙に創り上げられた誰かの夢の中、オレ達は必死で生きてその夢に花を添える
例え明日オレ達が死んだとしても、
それは物語の一ページに過ぎない
けど、侮るなよ。
このハリボテは大きいぞ。
見渡す限りに広がる世界。端なんて見えやしない。
例えもうじき王様が目覚めるとしても
怪物が疲れて うっかり手を離してしまったとしても
きっとオレは消えたりなんかしない。やつらを指差して笑ってやろうと思う。
さぁ、じゃ
そろそろ あの人のところへお邪魔しようか。
そして、今日のハリボテの空は綺麗ですよ、と教えてあげよう。
ハリボテの中に素敵を探す