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「突然ですけど、イルカセンセの初恋ってどんなですか?オレはね〜、聞いて驚かないでくださいよ?なな、なんと、イルカセンセイなんですっ!!キャ〜ッvv(奇声)ね、興味ありませんかこの話っっ!?」
「・・ひ、酷い・・・っ!!ま、そんな今のアナタも好きなんですけどね、オレの初恋ってのはちゃんともっとガキの頃の話ですよ。実はガキの頃、オレ、イルカセンセと会ってるんですよね〜v
「・・・・」
「・・・・・・イルカセンセ・・・?」
「・・・・・(視線に気付く)あ?あぁ、すんませんカカシさん。何ですか?」
「・・・聞いてました?オレの話」
「あっはっは!やだな〜カカシさん。もちろん聞いてないに決まってるじゃないですか。ていうかあっち行ってろって言っただろうが(低音)」
「うううぅ酷いよ〜センセぇ(涙)オレの大事な初恋メモリーを・・・てか、イルカセンセの初恋も教えてくださいってば!!」
「初恋?やですよ。どうせあんた、『オレじゃないんですね?』とか『オレはこんなにアナタのことを思ってるのに!アナタは違うんですね?』・・・とか適当な理由つけて、『そんなの理不尽だから、じゃあ今夜は酷くしちゃいます〜』とか言って押し倒すつもりでしょうが。あいにく俺今日は忙しいんで」
「そんなことしません〜!純粋にセンセの初恋話を聞いてみたいだけですよ!!いいじゃないですか。ねぇ〜」
「・・・・・初恋・・・ねぇ。言っときますけど、俺、普通に 女の子が好きでしたからね。まかり間違ってもあんただった、なんて、そんな気の利いたこと言いませんからね。それでもいいんですか?」
「!!・・・・・うぅ・・・く、悔しいけどいいですよ・・・アナタの初恋、どんな人か聞いてみたいもん」
「ん〜・・・んじゃまぁ、お話しますけど。そうだなぁ・・・(肘をついて遠い目)あぁ、あれは俺がアカデミーに入ってすぐ
「・・・・く・・・(涙)・・・・・・・・・そ、それで?」
「とにかくめちゃくちゃ可愛いんですよ!髪の毛とかふわっふわしてて。色が白くてすごい華奢でね。多分北方の出だったんじゃないかな?髪とか目とか、色素が薄くてすごくきれいだったんですよ。肌とかもきめ細かくて、ほっぺたとか、皮膚が薄いもんだからほんとにバラ色で」
「ちょっとまったちょっとまった!!ってイルカセンセ!!アンタ、その子に触ったりとかしてたわけですかッ!!?」
「ちょ、人聞き悪いですね。俺そんなにマセガキじゃなかったですよ。・・・実は触るどころか、喋ったことすらなかったんですけど。いつも俺たち男連中が遊んでるのを、ちょっと離れたとこから見てたんですよね、彼女。
「・・・・・・・へぇ・・・・そうですか・・・・よく見てるじゃないですか・・・・(涙目)」
「そりゃもう、美人でしたから。あ!でも、ちょっと自慢できることあるんですよね、俺。
「・・・・・へ〜え?」
「ちょっと!今自意識過剰だとか思ったでしょう!?本当にそうなんですったら。俺が遊んでると、いつの間にか離れた所からこっち見てるし、遊び場を変えても、絶対についてくるし。
「・・・・・」
「・・・とか言っても、ほんとのところはどうだか、分からないんですけどね。まぁ、俺の希望的観測ですよ。
「・・・・・口布・・・?」
「えぇそう。律儀なもんでしょう?あんな小さい頃からきっちり忍びの教えを守ってたわけですから。
「・・・・・・・ちょっと待ってくださいよ・・・その子、腹の前でばってんが出来るようなサスペンダーに、灰色のショートパンツはいてませんでした?」
「な・・・っ!!や、やめてくださいよカカシさん!!!あんた、今俺の頭ん中見たでしょう!?やだなぁ!写輪眼ってのはそんなことも出来んですかッ!?もう、ちょっと変なことすんのやめて下さい・・・。
「・・・・・・・え?辛い?」
「えぇ・・・・彼女ね、それからしばらくして、居なくなっちゃったんですよ。
「・・・イ、イルカセ」
「(涙を振り切って)もちろん!!もちろん、教職についてからも散々手を尽くしてその子のこと調べましたよ!!
「・・・・・・えぇと・・・イルカ先生・・・・・?
「・・・・・・(ハンカチで鼻をかみながら)・・・は?あぁ、さっきの話のことですか?それが何か?」
「・・・・・・・・・・オレ、イルカセンセのこと好きで、ずっと見てたりしたんです・・・けど・・・・・・・・・」
「・・・(涙にくれながら)はぁ。そりゃ、気づいてやれなくてすみませんでしたね。・・・・・うぅ・・・・俺があの時勇気を出して彼女に話し掛けていたら・・・・!あんなに可愛かったのに、かわいそうに・・・・ッ(男泣き)」
「・・・・・」
「(涙を拭きながら)・・・・俺の初恋話は、これで終わりですよ・・・。どうです?聞かなきゃ良かったでしょう?」
「・・・・や・・・・何と言うか・・・・」
「すんませんね、気の利いたこと言えなくって。けどまぁ、昔の話です。今はそれなりにあんたが好きですよ」
「・・・・・・・・・・どうも。・・・・・というか、イルカセンセがどんな話をしても、『オレじゃないんですね?』とか『オレはこんなにアナタのことを思ってるのに!アナタは違うんですね?』・・・とか適当な理由つけて、『そんなの理不尽だから、じゃあ今夜は酷くしちゃいます〜』とか言って押し倒すつもりだったんですが」
「(・・・こいつ・・・)」
「・・・・けど、何と言うか・・・・・自分の中で何かがみるみるしぼんでいくというか・・
「・・・はぁ? ああ、熱い話聞かせちゃってすいませんでしたね」
「いえ・・・えっと、じゃあとりあえず、オレ 飯作ります」
「え?・・・あ、有難うございます・・・・?」
「・・・えぇ・・・」
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