ついったログB


今回はお題SSばっかり。



キスの日に。バディへ。








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たった140文字に込められる物語。

ツイッターで毎日提示されるお題に沿って物語をかく企画、「#同題ssTB」に参加しています。
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急いだからさぁ!茶ぁ零しちまった!

ベストの染みを隠すアイパッチの男に「しっかりしろよタイガー!」と笑い声。
見事人質を救出した英雄は、笑顔で身を翻す。

虎徹さん、早くこっちに。
「バニー…笑えよ」

いいから!早く!

「笑え!」

傾いだ体に、掌を濡らす体液。
知らず、祈りの言葉が叫びになった。
<茶>





ふうっと爪先に息を吹きかける。
人差し指には大好きなブルー。そして、親指には優しい緑と白のツートンカラー。
そっと握りしめるんだ。
ほら、環を作った指先で、まるで抱き締められてるみたい…なんて。

馬鹿だな、私。
きっと明日は友達に、似合わない色を笑われるに決まってる。
<環>






例えば、翼に尾、指の間には、小さな水掻き。
僕らには進化の名残がたくさんあって、小さな自己主張と共に根付いている。

誰かを庇った背中には無数の傷、弱きを抱きしめた腕には痣。
肩に残る火傷。
ヒーローを退いてなお、美しい男は「あんまり見んなよ」と照れ臭そうに笑う。
<名残>




ねぇいい加減、喉笛噛み切ってやったらどうですあんな奴ら!
僕の言葉に彼は眉を下げた。
今回のスポンサーは、暴力がお好きらしい。彼の滑らかな背に散った傷を冷やし、僕は唇を噛む。

でもさぁ、ほんとは。
牙の名残を覗かせて、眠れる虎が笑う。
俺もいつか、って思ってんだよな
<名残>





最初は、何て怯えた目をしているのかと思ったものよ。

それが今じゃどう?零れる笑顔に、溺れちゃいそう。

臆病な兎は王者の風格を湛えて、ある筈のない立派な角まで額に見える。
その手が抱くのは、相棒の腰。
アタシに不敵に笑うのも、堂に入ったものね!憎らしいったら!
<兎の角>





んなゴミ以下、みたいな目で見んなよ。そんな最初。
けど、奴の中で次第に俺の順位は上がっていった。
今日は落としたペン以上。
今日は提出書類をほっぽって。

嬉しかったんだけど…これはねぇよなぁ。
頬を濡らす血に、俺は戦慄く。
自分の命より、なんて。それ以上無ぇじゃねぇか。
〈いか〉





いつだって壊し屋だトラブルメーカーだって言われてきた俺だから、お前も呆れてんだろ。
決死のギャグも、バニーにとっちゃ頭痛の種。
けどな、たまにその強張った頬がゆるむ瞬間に、お前は気付いてる?

だから今日も種を蒔こう。お前が笑ってくれるような、突拍子もない奴をな。
〈まく〉