「何してるんですか?」
自分と同じ顔、同じ体格をしたアンドロイドに押し倒されているという絶体絶命なこの状況。
普通ならその声は天使の福音に聞こえたことだろう。
だが、今回は天使は天使でも最後の審判を告げる天使のラッパだ。
寝室の入り口から漂う冷気に、虎徹はベッドの上で後退りしたくなった。
勿論これ以上、下がれる場所などないし、手足を押さえつけられている状態では身体を揺らしたに過ぎなかったが。
うっすらと冷笑を浮かべたバーナビーが腕に抱えた買い物袋をことさら丁寧に床に置き、ライダースジャケットのポケットに手を差し込みながらベッドの傍らに立つ。
そして艶麗に微笑んだ。美人の笑顔はそれだけで迫力があるもんだ。
「ああ、言い訳は結構ですよ。聞くつもりはありませんから。取り敢えず―――」
くつりと形良い口唇をつりあげると、バーナビーはポケットから取り出したモノを無遠慮にクロガネの首筋に押しあてた。
バチッ
激しい火花が散る。
「うわっ」
「ツッ!!」
崩れ落ちたクロガネの身体をとっさに受け止める。
タンパク質が焦げる臭いに驚いて首もとを探ると人工皮膚が焼け焦げている。表面だけで済んだのか内部のコードが露出していないことに安堵した。
「バニー!!」
「お仕置きですよ。躾がなっていない駄犬には口で言い聞かせるより、身体に分からせた方が手っ取り早い。それにこのスタンガンは斎藤さん公認の特別製です。既製品では傷一つ負わせられませんからね。大丈夫ですよ、出力は下げてありますから。自己修復プログラムも組み込まれていると言っていたので、一週間も経てば傷痕さえ残りません」
淡々と告げてバーナビーはクロガネの髪を鷲掴みにすると床に放り投げた。
「つうっ!」
「手を出すな、そう言いましたよね? 次はこんなものじゃ済ませませんよ」
苦痛に顔を歪めるクロガネを一瞥し、指に絡んだ黒髪を払い落とすとゆっくりとバーナビーは虎徹に向き合った。
クロガネに向けた笑みとまったく同じものを向けられてひくりと虎徹の頬が引き攣る。
「あなたにも忠告しましたよね? 気を許しすぎると痛い目に遭うと。気のせいだと一蹴してくれましたが、この状況になってもまだ同じことが言えますか?」
下半身にシーツを巻き付けただけの状況で、怒れる大魔神を前に言葉などない。
そんな虎徹を立ったまま見下ろすバーナビーの凍える翠眼がすっと細められた。
「ねぇ、虎徹さん」
伸ばされたバーナビーの指先が裸身の上を辿る。
蛇の動きを思わせる動作だった。
虎徹は不可思議な光を湛えて揺らめくその翠眼に囚われたように微動だにできず、ただぼうっとバーナビーの顔を見続ける。
蛍光灯の明かりを背に立つ青年の白面は艶かしい。時折覗く桃色の舌は禍々しいほどに色っぽかった。
固まった虎徹の身体にベッドの上に乗り上げたバーナビーが巻き付く。
ムードのない表現方法だとしても、それが一番相応しい。冷たい手に顔を撫でられると痺れるような寒気が走った。脊髄から全身の末端まで得体の知れない感覚が駆け抜ける。
バーナビーはそのまま虎徹の背後に回ると脇の下から腕を差し込み、虎徹の腹の上で手を組んだ。
耳朶をペロリ、と舐められる。反射的に首をすくめると顎を取られて床に投げ出されたクロガネに顔を向けさせられた。
イブをそそのかした蛇のように、甘く蠱惑的な声で、バーナビーは囁いた。
「こんなことをされてもまだクロガネを受け入れるというのなら、―――いっそ三人でシましょうか? クロガネに人としての振る舞いを教えてあげたいんでしょう。それなら実演してみせた方が早い……」
口の中がからからに乾いていて、唾液を飲み込む音がやけにはっきりと耳に残る。
ゆっくりと下肢に伸ばされるバーナビーの手を意識しながら、虎徹は自分が被食者であることを十二分に理解していた。
そしてこの場の君臨者がバーナビーに成り代わったことも。
「来るんだ、クロガネ」
「バ、ナビー……」
首筋を押さえながら立ち上がったクロガネが忠誠を誓うようにベッドの下に傅く。
その顎に細い指を絡めて上を向かせると、満足そうにバーナビーは笑った。
「さぁ、―――はじめますよ、二人とも」
「んんっ、やぁ」
ぴちゃぴちゃと、粘着質な音が室内に響く。
その音の出所を見た虎徹は思わず歯を食いしばって目を閉じた。
「ダメですよ。ちゃんと見てあげて下さい。クロガネがこんなに頑張っているんだから」
その声に大きく割り開いた脚の真ん中に伏せて虎徹のペニスを舐めていたクロガネが視線を上げる。
自分と同じ顔が自分のペニスを咥えている倒錯感に目眩がする。赤い眼を光らせて、クロガネは見せつけるように一度口から引き抜くと、溜まった唾液を先端に垂らした。
つぅっと液体が裏筋を伝う感触に身震いする。
ピンと爪先まで伸びた脚が宙で揺れる。
背後に陣取ったバーナビーは虎徹の膝下に腕を入れ、尻が浮くほど開脚させると楽しそうに笑った。
「流石ですね。自分のイイ処はよく分かっている」
クロガネは再び口の奥まで迎え入れると、口の中でグチュグチュと音を立てて扱いた。
舌の表面で舐めあげられ、上顎と舌の間に挟まれると否応なく射精感が高まって腰が揺れる。
「ん、ふ……ふぁ……ああ、や……」
「ねぇ、虎徹さん、イきたいですか?」
「ったい、イきたい! 頼むか、らっ」
ぴんと張り詰めた乳首を指で弾かれ身をよじると、亀頭にクロガネの歯が当たる。痺れるような刺激に一気に上り詰めて慌てて腰を引く。
「あっ、だめ、出る……あ、あっ―――っ」
ダメだと思うのに、更に開きかけた先端を舌先で突かれて虎徹はクロガネの口の中にあっけなく迸りを放ってしまった。
慌てて頭を押しのけても、既に遅くクロガネは口の端についた精液を舌を出して舐め取る。
「っだ! 飲むなよ、お前まで、そんなモンっ」
「どうして? 虎徹が満足シタ、証拠だろ?」
にたりと嗤う様は自分の顔とは思えないほど淫蕩だ。
尿道に残る精液を搾り出すように、竿を上下に擦って残滓を手の平にためたクロガネはバーナビーに問う。
「次は、バーナビー?」
「そうですね。次は虎徹さんの下のお口をほぐしてあげて下さい。もう、十分に濡れているかとは思いますが念のためにね」
「分かった」
「〜〜〜納得するな、クロガネ!」
再び下肢に頭を埋めたクロガネが会陰から窄まりにかけてちろちろと舌でなぞる。
何度も往復したかと思うとぴたりと止まり、来た道を戻ったり、焦らすように場所を外れたりする。
そのたびに物欲しそうにひくつく其所を意識させられて、否定するように首を振る。ぱさぱさと頬を叩く髪の感触すら身体の中心で燻る疼きの呼び水となって虎徹は小さく喘いだ。
「はっ…ぁ…んっ…」
最早逃げ出したいのか明確な快楽に堕とされたいのか分からなくなってくる。
ようやくクロガネの熱い舌先が窄まりの先に挿し込まれた時には思わず安堵の息が漏れた。
皺の一つ一つに唾液をすり込むように丹念に舐められる。
収縮する動きに合わせてつぷつぷと先端だけを挿し込むが、けっして奥まで届かないそれに、眉間に皺が寄る。
「虎徹さん、腰が揺れてますよ?」
バーナビーに指摘されるまでもなく分かっている。
そういう自分だって先程から虎徹の腰に押しつけている部分はパンパンに膨らんでいて、布越しにもバーナビーが興奮しているのがよく分かった。
腰を揺らすついでにバーナビーのペニスに尾てい骨を擦りつけるように動かすと更に硬くなる。
気をよくして背後に体重をかけたところで、つぷりと指が挿し込まれた。一気に二本、いくら先程バーナビーに出されたものが中に残っていたとしても乱暴な突き入れに喉を仰け反らせる。
「あっあっあっ……あっ」
クロガネが両手の指で穴を押し広げると、こぷりと中から零れ出るのが分かった。
粗相をしているかのように感覚にぞわりと肌が粟立つ。
零れ出た白濁を押し戻すように、指がまた増やされた。圧迫感が熱を煽る。内部が指を締め付け、絡むのを止められない。羞恥は快楽を強めた。
虎徹は頭を振り、歯を食い縛る。
「あっ、だめ、だめ……あ、あっ」
ペニスの動きを摸すように内壁を強く上下に擦られる。
早く遅く挿入を繰り返した後にくるりと折り曲げた指を中で回されて腰が跳ねた。
ジンと痺れるような強烈な刺激に「あっあっ」と悲鳴が漏れる。
もういやだ、触れて欲しくないと思うのに、クロガネは僅かに首を傾げた後、アンドロイドの嫌になるくらい正確な記憶を元に、全く同じ強さと早さで先ほどの動きを忠実に再現した。
くると分かっていたのに、いざその部分に触れられると「あっ!」と声が漏れた。
「ココがイイのか?」
悲鳴に合わせてぴたりと止まった指先がしこりの上に置かれる。
ただ触れられているだけでびりびりと震える身体をバーナビーが押さえつけた。
「指だけでそんなに感じてしまうんですか?」
「ちがっ、ん、ああ、ヤダ、クロ、やめっ!」
むにむにと指の腹で圧迫されてぼろぼろと涙が溢れた。痛みと紙一重の過ぎるほどの快楽にぶわりと体中の毛穴が開いたような気がする。
自分の身体なのに制御できなくて、ずっと鼻を啜るとあやすようにバーナビーの唇が頬に首筋に、肩に落とされる。
その頼りない触れ合いに縋り付くように虎徹は鼻先をバーナビーに擦りつける。
「挿れ、て、イかせて、バニー、頼む、からぁっ」
「オレじゃダメか?」
下から覗き込むように請われても虎徹は首を振る。
クロガネのズボンに隠された前がくっきりと盛り上がっていたが敢えて目を逸らした。
「バーナビーじゃない、とイヤ、だ」
舌打ちと共にずるりと指が引き抜かれる。
「んっ」
排泄感に息を詰めると、脚を下ろされた。
「バニー?」
振り返りバーナビーの顔を伺うと蠱惑的に微笑まれる。
「可愛い、虎徹さん。ちゃんと僕がイかせてあげますよ」
ベルトを引き抜きファスナーを下ろすと、下着から自身を取り出す。
上を向いてそそりたった屹立にごくりと息を呑んだ虎徹は再び背後から抱きしめられる。
「少し、腰を上げて」
言われるがまま腰を浮かせると、窄まりに丸い先端を押しつけられた。
熱い先端に入り口を擦られて虎徹は求めた。
「早、く、バニぃ」
じりじりと押し込まれ離されるのを繰り返され、中心からはとろとろと蜜が溢れる。解放されない熱に息が上がり、喘ぎながら身をよじった。
「バニー、バニーっ」
「もう一度言って下さい。僕のじゃなきゃイヤなんですよね?」
虎徹は歯を食い縛り、背後のバーナビーを睨み付けるが観念して口を開いた。
それがクロガネに言い聞かせるものだと分かっていても続ける。
「バニーが……ッ、お前が、いい……」
「本当に?」
「いいッ、だから、バニーの……バニーの、俺の中に挿れて……良くして……ッ」
バーナビーの満足げな吐息が項に吹き付けられて、癪だが熱を煽られる。
「挿れてあげますよ、奥深くまでね」
限界まで虎徹の脚を開いて何もかも丸見えにすると、腕で身体を持ち上げて、バーナビーは下から腰を叩きつけた。
「あっ、やっ!」
衝撃に殺しきれない喘ぎが、虎徹の口から漏れる。
「ふっ、ん、くっ、う、ぅんっ!」
カリの部分まで引き抜いて一気に奥までズブッと埋めこまれると触ってもいないのに虎徹のペニスからは先走りが面白いくらい噴き出して、腹を汚す。
「自分に見られながらセックスするのは、イイですか?」
腰を揺すり上げ熱っぽく、バーナビーが囁く。
「犯されてるトコ、もっとよく見てもらいますか? あなたのココがどんな風に僕を受け入れているのか。もっと知ってもらいましょう」
はち切れんばかりに膨らんだペニスがずぶずぶとアナルを出入りする度に、腹の下あたりに熱い気の固まりができて、それが徐々に頭に上っていく。
酸欠にぼうっとする頭はバーナビーの言葉の半分も理解できなくて、ただうんうんと首を縦に振るとバーナビーがくすりと笑った。
「クロガネ、近くで見て触ってごらん」
「わかった」
覗き込んだクロガネの髪が太股に触れる。
そんな些細な感触にも反応してきゅうっとペニスを締め付けた。
「あっ、は、ぁうん、ぁあっ、あん、あんっ!」
「赤く充血している。でも切れてはいない。よく伸びるな」
指先が、限界まで押し開かれバーナビーのペニスを飲み込んだアナルへと、向かっていく。
バーナビーに言われた通りハマッている所を、触るつもりらしい。
霧散しかけていた理性をつなぎ合わせて、虎徹は必死に制止する。
「やめっ、クロ!」
真っ直ぐに下りていった指は、濡れ動くバーナビーの肉にぶつかると、ぴたり、と動きを止めた。
タイミングを合わせるように、バーナビーは虎徹を持ち上げた。ずうと引き抜かれたペニスに引きずられるように捲れ上がった内壁の縁をゆるりとなぞられる。
「あ、はぁっ」
ずぶずぶと抜き差しを繰り返すバーナビーの動きに合わせて、クロガネが濡れた陰部をまさぐる。
片手で輪を作り、バーナビーのペニスを刺激しながら、空いた片手で虎徹のペニスや双珠をぬちゃぬちゃと弄り出す。
「あっ、は、あっ、あぁんっ!」
「ツッ」
バーナビーも感じているのか切羽詰まったような息が聞こえて虎徹は思わずほくそ笑んだ。
自分だけ乱されるなんて性に合わない。
虎徹は首をねじ曲げて、バーナビーに舌を差しだした。ちゅうと先端を吸われて、お返しとばかりに噛みつく。
さらなる仕返しは下半身に向けられた。
「っまだ、余裕があるみたいですねっ」
「ぐっ、ぁぁああぁっあっ」
虎徹の脚を持ち上げていた腕が外される。
自重で今まで届かなかったような奥底までバーナビーのペニスを受け入れさせられた虎徹は逃れるように腰を浮かす。
ずっと半分まで抜け出たところで、腰を掴まれた。
「何を逃げようとしているんです?」
勢いをつけて引き戻される。じゅぶっと音を立ててペニスが潜り込んで、がつっと恥骨がぶつかるまで深く挿入される。
ベッドのスプリングを利用し、腰を回しながらがつがつとバーナビーが突き上げる。
「あ……あ、うあっ!」
目の奥で火花が散り、身体中が燃え尽きそうな熱が吹き出す。頭を真っ白に染める強すぎる快楽に弓なりになり、ただ喘ぐことしかできない。
ぷるぷると震えるペニスはしとどに濡れ、クロガネの両手をべたべたにしていた。
「どうして欲しいですか? もっと突き上げて欲しい? それともクロガネに見て欲しいですか? いつもより締め付けがキツイですもんね。あなた、見られている方が感じるんでしょう?」
きゅうと乳首を捻りあげられて、だらしなく開いた口から涎が垂れる。
「ハッ、あっ、あんっ! シてっ! もっとッ、深く、あ、バニーに、挿れられている所、ん、クロ、全部っ! ああ、ぜんぶ、見てくれ…っ」
挿れて、見て、と叫びながら、自ら大きく足を開き、艶めかしく腰をくねらせる。
快感にのめり込めば羞恥などあっけなく吹き飛んだ。
「淫乱」と罵る言葉さえ刺激になる。
揺さぶられ、触られ、口づけられ、また揺さぶられる。
「……い、い、きもち、い…っ!」
はぁはぁと荒い呼吸を繰り返し、虎徹は必死になって腰を押しつけた。
ただ、意識が白くスパークするような快感だけ。体の深いところに熱い楔を打ち込まれて、暴力的な快楽の渦に何も考えられなくなる。
熱い、熱い、熱い。
考えられるのはそれだけ。
バーナビーが一際奥を突き上げた。
ふるり、と震え奥を熱いものが満たしていく――どろり、とした感覚にバーナビーが達したことを理解する。
「ふっ」
中を濡らされる感覚は何度されても慣れない。
震えを堪えていると、先走りを溢れさせたままイけずにいたペニスを絡め取られる。
「まだ、やれますよね?」
熱っぽい息と共に耳もとに囁かれ、虎徹は振り返る。
額に汗を滲ませたバーナビーが「次はイかせてあげますから」と満面の笑みを浮かべる。
確かに未だ打ち込まれたままの楔は熱く脈打ち、達したばかりだというのに硬く反り返っている。
「その次はオレが挿れても、イイんだろう?」
虎徹のペニスを握るバーナビーの手に重ねて、クロガネが亀頭の先を爪で突く。
「虎徹のイイ場所は理解した。バーナビーよりヨクしてやるよ」
「いや、あの……」
身体の中心は貫かれたまま。無理だと分かっていても逃げ出したい。それでも本能に従ってうつぶせにベッドへ倒れ込んだ拍子に、尻の中に収まっていたバーナビーがずるりと抜けていくのを、小刻みに痙攣する体内で締め付けながら感じる。
上半身を捩って逃げようとしても、どこにも逃げ場所はない。シーツに突いた手を上から押さえつけられ、横倒しになった格好のまま、バーナビーは腰を使い始めた。
無駄に器用なヤツだ。
体位が変わったことで中を抉る角度も変わり、虎徹はただ喘ぐことしかできなくなる。
「んっんっ、待って、待て……っ」
虎徹に添うように横になったクロガネの手が胸をまさぐり、乳首を苛む。
歯で千切れそうなほど強く引っ張られたあとは、指先で軽く愛撫される。その落差に翻弄される。
バーナビーの挿入がゆっくりとなり、ずるずると粘膜ごと引きずられるような感覚に陥る。
「……入れるときと抜かれる時、どちらが好きですか?」
「んーっ」
シーツを握りしめていた指を離し、声を殺そうと口を覆う。
答えられるはずがない質問をねちっこく繰り返したバーナビーは諦めたのか、ふっと溜息をついた。
突然打ち付けるリズムが変わり、激しく抜き差しされる。
背中にぞくぞくとした快感が走っていく。
腰が揺れ、内壁が締め付けるように蠢く。
「イきますよ、虎徹さん」
「っあーあっァアッ―――っ」
射精を促すように激しく腰を突き上げられ、虎徹は背を仰け反らせて精を吐き出す。スパークする視界。
真っ白な世界はやがて端から闇に浸食され、虎徹はゆっくりと意識を手放した。